オール・オア・ナッシング シーズン3感想
開幕を待ちわびてる中、遂にオール・オア・ナッシングのシーズン3、DAL編が配信開始。
さて、DALの弱点が垣間見える。
もちろん映像に収まっているものが全てでは無いが、それを差し引いても怪訝な顔にならざるを得ないところが多々見受けられた。
それは違和感としか表現しようが無く、言語化するのがとても難しいが、最後の最後にようやく何が問題かが分かった。
HCのジェイソン・ギャレットがリスペクトされていない。そして多分、彼もそれを自覚しているか、無意識下で認識している。
シーズン最後のMTGでTEウィッテンのスピーチがあり、とても心に響くもので、それは選手にもコーチにも伝わっている様子だった。その後にギャレットは、これ以上私が喋っても蛇足になると発言した。
コーチのMTGシーンが毎回の様に使われ、ギャレットが喋るのだが、これが良くある何の生産性もない無駄な会議で、参加しているコーチもあまり聞いてない。だからギャレットも喋る前に、少し時間をくれとか言わせてくれとか変なエクスキューズが入る。
思えばエリオットが復帰したときに挨拶にコーチが集まる部屋を訪ねたときも、ギャレットの立ち位置はドアの隅の端っこにいた。
こんなことがあるのか?
シーズン1のエイリアンズHCもシーズン2のフィッシャーHCも、喋るときは皆が耳を傾けるし、端にいるなんてことも無かった。
そして選手からも尊敬をされているシーンがあった。エイリアンズにはタイロン・マシューが感謝を述べるシーンがあった、フィッシャーなんか解雇されたにも関わらず、選手がコーチのためになんて語る場面があった。
さらにフィッシャーが凄かったのは試合中に審判から選手の暴言を止めさせるように勧告を受けて、選手に注意をしにいく場面だ。
荒ぶる選手のモチベを下げず、且つ暴言を注意するという一流のコミュニケーションがあった。
これは見てる方にもHCへのリスペクトが自然と生まれた。しかしDALにはそれが無い。
原因は恐らくジェリー・ジョーンズだろう。チームのオーナーであり、GMのこの絶対的権力者により、このギャレットをはじめとするコーチを軽視する空気がチーム全体にもたらされていると見た。
さらに言えば、この一族経営がコーチやチームスタッフの質にも悪影響を及ぼしているのでは無いだろうか?
チームの責任ある立場の人間が100%フットボールに集中していない、大事なプレーオフがかかっている試合の前日に、孫の試合観戦に出かける。
家族を大事にするのはいいことだけど、シーズン1やシーズン2で見られたフロントのフットボールに対する真剣さや集中は、残念ながらシーズン3では見られない。コーチのMTGはネタばかりで、しかも寒いものばかり。もちろん戦術的な部分は放送できなかった可能性も高いがカージナルスもラムズももっと質の高いMTGをしていた。エイリアンズは実際の試合の映像からミスで試合が決まるんだと注意して、実際にそれが起こったりね。
バイウィーク前に、休みが楽しみなのはお前らだけじゃないとか言っちゃうコーチ、MTGでいつも同じことを言うとかデズに批判されるコーチ。
象徴的なのはファルコンズ戦で、タイロン・スミスが欠場したときに変わりの控えチャズがボコボコにやられた場面だ。驚くことにDALはこれに対して何も対策してなかった。試合中に駄目だブロックできないとかぬかす始末。
試合前の練習で褒めていたので、これはもう精神論でどうにかしようとしてたとしか思えない。
決定的なのはエリオットの扱いだ。
しきりに21番に集めろ、21番にもたせておけと言う。依存しまくり。戦術的には確かにリーグ随一のラインと有能なエリオットのランで攻めるのに異論は無い。でも依存するのは駄目だし、WRの立場はどうなる?
そらデズもフラストレーション貯まるよ。パスあってのランだし、ランあってのパスだろうに、自らの無能さをさらけ出すがごとくのエリオット依存を聞かされる選手は、コーチをリスペクトするだろうか?他に無いのかよと思う。
エリオットは2017シーズン、DV疑惑により6試合の出場停止を課されていた。これを控訴したり、差止めたりで、出れるか出れないか分からない状態が続けていた。DALは不確定要素を増やして試合の準備を自ら難しくしているだけだった。
大人しく受け入れていれば、プレーオフに進めてたかも知れないというのは結果論だが、試合の準備に悪影響をもたらす控訴を許すというのが分からない。ベリチックならどうだろう?そんな馬鹿げた不合理なことをするのか?
これはエリオット依存の希望的観測で、もしかしたら出場停止にならないかもというフロントの甘さと無能さが招いた事態なんじゃなかろうか?
ウィッテンが序盤の方で言う。フィールド外の問題にも対処しなければと。えー、そんなことまで選手の鏡だわーと思ってたが、これは必要に迫られて仕方なくという表れなのではと、あとからムカついてきた。
ショーン・リーも試合中にコーチの戦術に疑問をていする場面や、コーチに変わってMTGを進めている場面もあった。
デズがHCの作戦を批判したり、新人CBルイスが喧嘩したり、このチームには規律というものが見えてこない。これは指導の役割を担うコーチ陣へのリスペクト不足なんじゃなかろうか?
裏方に徹して分をわきまえ出すぎず、飲酒運転で詐称してもなお、要職を任せる器量のあるオーナーがいて、まるで家族みたいだったアリゾナ。
人間臭くも慕われ、フットボールに真剣なスペシャルチームコーチがいて、来季もお前だといいつつ裏ではしっかりマクベイを招集して、チームを立て直すラムズ。
隣の芝生は青いというが、これはあんまりだ。
オール・オア・ナッシングに選ばれたときは待ち望んでいたけど、これは辛い。頭を抱える。
これが全て私の妄想で、シーズン始まって手の平を返せればいいのだが。